
外資系企業の経理や英文会計の世界では、「棚卸資産(Inventory)」は極めて重要な会計項目です。
製造業、小売業、卸売業ではもちろん、近年ではグローバルサプライチェーンの複雑化に伴い、在庫管理や評価方法に関する知識が経理担当者に強く求められています。
また、外資系企業の経理部門では、英語による財務報告や監査対応が日常的に行われるため、棚卸資産に関する会計英語を理解しておくことは大きな武器になります。
本記事では、棚卸資産に関する会計英語を学びながら、IFRSと日本基準の実務で頻繁に登場する考え方を理解できるよう、試験問題レベルの英文を用いて解説します。
英語表現
1
Inventory is measured at the lower of cost and net realizable value. Management reviews obsolete items periodically and records a write-down when necessary.
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定されます。経営者は陳腐化した在庫を定期的に見直し、必要に応じて評価減を計上します。
obsolete /ˌɑːbsəˈliːt/ (形容詞) 陳腐化した
補足:在庫評価やIT関連資産の文脈で頻繁に使用される。市場で販売が難しくなった商品を指すことが多い。
the lower of cost and net realizable value
「AとBのうち低い方」を表す定型表現です。IFRSや日本基準の在庫評価で頻出する重要表現です。
2
The company applies the FIFO method to determine inventory cost. This approach reflects the actual flow of goods in many businesses.
会社は棚卸資産原価の算定にFIFO法を適用しています。この方法は多くの企業における実際の商品の流れを反映しています。
fifo /ˌef aɪ ef ˈoʊ/ (名詞) 先入先出法
補足:First-In, First-Outの略称。国際会計基準でも広く利用される。
3
Inventory counts are performed annually to verify the existence of goods. Any significant discrepancy must be investigated promptly.
棚卸資産の実地棚卸は商品の実在性を確認するために毎年実施されます。重要な差異は速やかに調査しなければなりません。
discrepancy /dɪˈskrepənsi/ (名詞) 不一致、差異
補足:監査や内部統制において頻出する重要語彙である。
physical inventory count 実地棚卸
4
Raw materials are classified as inventory until they enter the production process. Their cost is subsequently allocated to finished goods.
原材料は製造工程に投入されるまで棚卸資産として分類されます。その原価は後に製品へ配賦されます。
allocated /ˈæləkeɪtɪd/ (動詞) 配賦された
補足:allocateは原価計算や予算管理で頻繁に使用される動詞である。
5
Management estimated that some products would become unsellable because of technological changes. Accordingly, an impairment loss was recognized.
経営者は技術革新により一部の商品が販売不能になると見積もりました。その結果、評価損が認識されました。
unsellable /ʌnˈseləbl/ (形容詞) 販売できない
補足:sellable(販売可能な)に否定の接頭辞unが付いた語である。
would become unsellable
wouldは過去時点から見た将来を表しています。
6
Goods in transit may still qualify as inventory depending on the contractual terms and transfer of risks.
輸送中の商品であっても、契約条件やリスク移転の状況によっては棚卸資産に該当する場合があります。
terms /tɜːrmz/ (名詞) 契約条件
補足:business terms、payment termsなど契約実務で頻繁に使用される。
depending on
「~によって」「~次第で」を意味する分詞構文です。
7
The auditor observed the year-end inventory count to obtain sufficient audit evidence regarding existence and condition.
監査人は実在性および状態に関する十分な監査証拠を得るために期末棚卸へ立ち会いました。
evidence /ˈevɪdəns/ (名詞) 証拠
補足:audit evidence(監査証拠)は監査基準の重要用語である。
8
Inventory turnover improved significantly after the company reduced excess stock and enhanced demand forecasting.
会社が過剰在庫を削減し需要予測を改善した結果、棚卸資産回転率は大幅に改善しました。
turnover /ˈtɜːrnˌoʊvər/ (名詞) 回転率
補足:inventory turnoverは経営分析で非常に重要な指標である。
9
Certain inventories held by commodity brokers may be measured at fair value less costs to sell.
商品仲介業者が保有する特定の棚卸資産は、売却費用控除後の公正価値で測定される場合があります。
commodity /kəˈmɑːdəti/ (名詞) 商品、市況商品
補足:石油、金属、農産物などの国際市場で取引される商品を指す。
held by commodity brokers
過去分詞句が inventories を修飾しています。「商品仲介業者によって保有される」という意味です。
10
Under IFRS, the LIFO method is prohibited because it may not faithfully represent inventory flows.
IFRSではLIFO法は認められていません。棚卸資産の流れを忠実に表さない可能性があるためです。
prohibited /prəˈhɪbɪtɪd/ (形容詞) 禁止された
補足:法律、規制、会計基準などで広く用いられる表現である。
may not faithfully represent inventory flows
mayは「~かもしれない」という可能性を表しています。faithfullyは「忠実に」という意味の副詞です。
まとめ
棚卸資産(Inventory)は、外資系企業の経理担当者が必ず理解しておくべき重要な会計分野です。特にIFRSでは、棚卸資産を「取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額」で評価すること、LIFO法が認められていないこと、在庫評価損や実地棚卸の重要性などが頻繁に問われます。
また、実務では以下の英単語が非常によく登場します。
-
inventory(棚卸資産)
-
net realizable value(正味実現可能価額)
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obsolete(陳腐化した)
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write-down(評価減)
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FIFO(先入先出法)
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turnover(回転率)
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evidence(監査証拠)
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fair value(公正価値)
これらの表現は英文財務諸表、監査報告書、内部統制文書、会計士試験の英語問題などで繰り返し登場します。
会計知識と英語力を同時に高めることで、外資系企業への転職やグローバル経理としてのキャリアアップに大きく近づくことができるでしょう。